記憶の仕組みを知る➡成績アップする勉強法はこれ! PART1

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脳の機能は「忘れて当然」

学生、また学生に限らず日々生活を生きる人々の多くが一度は経験する「忘れる」という現象。これに悩まされている人々は多くいます。

しかし、これはほとんどの場合脳の欠陥ではありません。科学的視点から言うと、脳は「覚える」よりも「忘れる」ことの方を優先させるからです。これには以下の様な理由があります。

人間の脳には約1000億個の神経細胞があることがわかっています。「記憶」だけでなく、「忘れる」こと、人間の喜怒哀楽など人間の行動すべてが神経細胞の機能によって行われています。そして、その人間の行動すべてを脳が記憶したとしたら、たった五分以内で限界に達してしまいます。1000億個の神経細胞があると言っても、脳の容量はその程度です。そのため、脳は入ってきた情報のほとんどを記憶しないで、消去しています。

脳の性質が、「覚える」ことよりも「忘れる」ほうを得意としているのであれば、それはそれで仕方のないことです。なのに、「自分は暗記が出来ない」といってストレスをため込んだりすると逆効果です。ストレスは、記憶にとって天敵ともいえる存在です。ストレスを感じると人の身体は「グルココルチコイド」という悪いホルモンを分泌し、記憶力を低下させてしまうからです。

エビングハウスの忘却曲線

脳は「覚える」より「忘れる」方が得意であることは、上述した通りです。そして、これには個人差というのがほぼありません。

例えば、「記憶力が自慢」の人と、「記憶が苦手」と言う人、「努力して記憶する」人がいるとして、単語を忘れていくというスピードにはほとんど個人差はありません。脳の機能は、皆同じなのです。

石井塾長
石井塾長

では、人間の脳は一度覚えたことをどれくらいのスピードで忘れていくのでしょうか?

初めの四時間で半数近くを忘れ、その後は残りの記憶を少しずつ忘れるという曲線を描くことがわかっています。つまり、暗記した単語があり、その四時間後に暗記した単語のテストを行うと、10個のうち5個程度しか思い出せなくなっているということです。さらに24時間後にテストをすると、覚えている単語は3~4個、また48時間後では2~3個です。

つまり、覚えた直後にどっと忘れてしまって、それを乗り越えて残った単語はある程度長く記憶される傾向があります。

この記憶の傾向をグラフで表したのが、「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれるものです。

決してお薦め出来る勉強スタイルではありますが、仮にやむなくテスト直前にどうしても知識を詰め込まなければならないという状況の中で、前日の深夜に詰め込むよりも、当日の早朝に詰め込む方が結果につながります。なぜなら、「忘却曲線」の理論からテストの時に覚えている確率が高いからです。ただし、これはテストまでの四時間が成否を左右するという事です。

ところで、この「忘却曲線」は時が経てば結局覚えた全てを忘れるということを示しているのですが、何日かおいてもう一度、同じ10個の単語を暗記するとします。すると、前回と比べて今回の方が忘れにくくなるという現象が起こります。四時間後テストをした結果、前回よりも覚えている単語が多くなっているということです。それを何度も繰り返しているうちに、その傾向が大きくなっていきます。つまり「記憶力が増強していく」のです。

なぜこのような事が起こるのでしょうか?それは最初に覚えた単語は、完全に脳から消されてしまったわけではなく、単に思い出せない状態に陥っていただけです。本人は完全に記憶から抜け落ちたと感じているかもしれませんが、実際には「無意識のうちに脳に蓄えられている」のです。無意識の記憶ですから、思い出せなかっただけです。

しかし、何日か後の学習の時には、この無意識の記憶が脳に記憶を定着させるのを助ける役目を果たします。だから、学習を繰り返すと、あたかも記憶力が増強したかのように思えるのです。

石井塾長
石井塾長

勉強において重要なこと、それは何度も繰り返すこと
つまり「復習」です。

しかし、無意識の記憶にも賞味期限があります。結果から言いますと、無意識の記憶の賞味期限は約一ヶ月です。つまり、一ヶ月以内に復習しないと効果はありません。

この脳の機能を考慮すると、テスト直前にしか勉強しない学生の脳は、十分な記憶が形成されにくくなります。なぜなら、中間テストや期末テストは一ヶ月以上の間隔が空くからです。そういう理由から、テスト前にしか勉強をしない学生が「覚えられない」のは当然の帰結なのです。

さらに、この復習効果は、あくまでも同じものに対して生まれる脳の作用であることを押さえておいて下さい。

これはどういうことかと言いますと、詳しくは下記に述べました「記憶の干渉」を読んでいただけるとわかると思うのですが、1回目に暗記したものと全く違うものを暗記しても復習にはならない、それどころか時間の無駄、さらには成果を下げる行為になってしまいます。

復習効果は、1回目に暗記したものと同じものを日を開けて再度暗記することで生まれるものです。

また、いろんな参考書に手を出すのも論外です。参考書、もしくは問題集は、自分に合ったものを一冊選び、それを何周もするのが鉄板です。いったん参考書や問題集を決めたら、意志を変えずに何周も繰り返し勉強するのです。自分が選んだ参考書や問題集から、いつ、どの問題を出題されても条件反射の様に解けるまでやり尽くすことです。同じ教科でも、参考書が替われば、また一からその参考書を理解し直す必要があります。これは理解を中途半端にする根源であることを肝に銘じておいて下さい。

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この記事を書いた人

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