誰でも天才になれる記憶法 - 年齢に適した記憶法

「知識記憶」、「経験記憶」、「方法記憶」についてその欠点や利点など、いろいろと説明してきましたが、実はこれらの記憶方法にはそれぞれに適した年齢があります。

人が子どもから大人になる過程で、最も早く発達するのが方法記憶、次が知識記憶、一番遅れて発達するのが経験記憶です。

生まれてから幼少期の記憶がないという現象は、誰しも経験していることと思いますが、これは「幼児期健忘」という現象で、経験記憶の発達が遅れていることが原因です。実際に、中学生の一年生の最初くらいまでは知識記憶がよく発達していて、小学校は子どもが10歳になるまでに掛算の「九九」を教えます。これは知識記憶がよく発達しているこの年頃を狙って暗記させようという教育計画なのです。それ以降は経験記憶が優性になってきます。個人差はありますが、中学生の一年生後半になる頃には経験記憶が完成され、論理的な記憶力が得意となってきます。

知識記憶の能力がまだ高い中学一年の最初の頃までは、試験内容を「丸暗記」してテストに挑むという、その場しのぎでも何とかなります。しかし、このあと少しずつ経験記憶が優位を占めます。そうなるとやがて丸暗記作戦は、通用しなくなってきます。

この年齢に適した記憶法を使わずに、いつまでも同じような勉強方法を繰り返していると、自分の記憶力に限界を感じるようになってしまいます。そういう学生に限って、「頑張っているのに、以前の様に覚えられない」と記憶力の低下を嘆きます。しかしそれは、その年齢に応じた脳の得意な記憶方法の種類が変わったせいであって、本当に記憶力が衰えてしまったのではありません。だから、今の自分の記憶法について今一度見直し、記憶法を含めた学習法を一から立て直しを図る時期が来たと思えばよいのです。

高校生の脳は、丸暗記よりもむしろ理論だった経験記憶がよく発達してきます。ものごとを根本から理解して、その理屈を覚えるという能力です。だから、勉強方法もそうした方針に変更していく必要があります。ここで方向転換出来ないと、とても高校レベルの学問をマスターすることは出来ないでしょう。中学レベルとは雲泥の差があります。教科の数も、暗記量も倍以上になります。授業についていけなくなり、落ちこぼれてしまう可能性もあります。小学、中学と優秀だったのに、高校になると成績が伸びないという生徒は少なからずいますが、まずここでの方向転換がうまくいかなかったのが原因です。

何が言いたいかといいますと、中学2,3年、高校レベルの学問を修得するには、もう丸暗記は通用しない、ということです。丸暗記で覚えた知識は、覚えた範囲でしか通用しませんが、論理や理屈を覚えると、その論理が根底にあるものごとすべてに活用できるのです。同じ記憶量でも、論理的な記憶の方が応用範囲が圧倒的に広いということです。

12歳を過ぎたなら、すぐにでも知識記憶に頼った勉強方法は捨てるべきです。

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この記事を書いた人

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