生物学的な脳と記憶の仕組み

脳という器官について、皆さんはどれくらい知っているでしょうか?          

脳が、生命維持において非常に重要な働きをしていることは、ほとんどの方はご存じかと思います。

脳の重さは、人の体重の約2%ですが、体で消費される全エネルギーの約25%が脳で消費されているという事実に驚かれる方も多いかと思います。脳の消費エネルギーをみるにつけても、脳がどれほど人の体のために働いているか、を思い知ることができます。

さて、他の臓器とは違い、脳には部位によって役割があります。例えば、手足を動かすための場所、話しをするための場所、ものを見るための場所などそれぞれを専門に扱う部位があるのです。

では、「記憶は脳のどの場所で作られるのか」?

正解は、「海馬」です。海馬は、耳の奥あたりに左右1つずつあります。太さ1cm程で、長さが5cmくらい小さな脳部位です。

さて、もう一つ記憶に関する脳の部位があります。

海馬が記憶の製造工場だとすると、その製品、つまり海馬で作られた記憶は、脳のどの場所に「保管」されるのか。

正解は、「大脳皮質」です。つまり、脳の中では、記憶を作るところと、記憶を保管するところが異なるということです。脳をイメージするのに、この考え方は非常に重要です。

脳には大量の情報が常に入ってきます。その情報はまず海馬に集まります。そして、どの情報が必要なのかがじっくり検討されたのち、必要であると判断された情報のみが、大脳皮質に保管されるという仕組みになっています。

先に述べた脳の性質上、脳はなるべく多くを忘れるように設計されています。海馬に集まった情報のほとんどは廃棄されます。記憶するのにエネルギーを消費するので、省エネのために不必要な情報はどんどん消去していきます。海馬は「情報の選別」の役割をしています。記憶する必要のある重要なものだけを取捨選択して、大脳皮質に送っているのです。そして、その「情報の選別」は、「生きるために必要な情報」かどうかが基準となっています。

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